ホテル業界の今後はDXによる効率化が必須!
ホテル業界は長らくおもてなしの業界として知られ、顧客の期待に応えるために高いサービス水準を提供してきました。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により、ホテル業界は大きな変革期に立たされており、その主要な課題として「人手不足」
と「デジタルトランスフォーメーション(DX)」があげられています。
今回のコラムでは、「人手不足」、「DX」に焦点を当て、ホテル業界の動向と今後の予測を考察していきます。
1,人手不足の克服
ホテル業界では、特に高品質なサービスを提供するために熟練したスタッフが不可欠ですが、新型コロナウイルス感染拡大以前から
人手不足が業界全体を脅かしています。帝国データバンクの情報(2023年7月時点)によれば「旅館・ホテル」においては72.6%と
7割を超える高水準で人手不足が顕著に表れているという結果が出ています。新型コロナが5類に移行されたため、今後さらに人手不足が顕著となると予想されています。
そんな中、人手不足という問題に対して以下の方法を採用し対応している企業が増加傾向にあります。
①オートメーションとロボットの導入
チェックイン・チェックアウトプロセス、客室清掃、ルームサービスなど、繰り返しのタスクをロボットや自動化システムに任せることで、スタッフの負担を軽減し高い効率化を実現しています。
②リモートワーカーの活用
カスタマーサポートや予約管理などのタスクをリモートワーカーにアウトソーシングすることで、柔軟な人員配置を実現し、ピーク時の需要に対応できるようになってきています。
2,DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進
DX(デジタルトランスフォーメーション)は、ホテル業界において競争力を維持し、顧客体験を向上させるための鍵となります。
DXの推進により業務効率が向上し、人手不足など多くの課題も改善できる可能性があります。
①モバイルアプリケーションの導入
ホテルチェックイン、ルームサービスの注文、観光スポットへの案内など、顧客はモバイルアプリを通じてホテルとのインタラクションを行います。これにより、顧客のニーズに合わせたパーソナライズされたサービス提供が可能になってきました。
②ビッグデータとAIの活用
顧客の行動データや好みを分析し、予測分析を通じて需要予測や価格戦略の最適化を行います。また、AIチャットボットを導入して
カスタマーサポートを強化することも一般的です。
③日常清掃スタッフとの情報伝達のデジタル化
以前から課題となっているホテル清掃スタッフとフロントとの情報共有にデジタルを活用することで、チェックアウトから清掃終了
までの間に複数回行っていたやり取りなどが減り、各々の業務に時間を割くことができるため人手不足に対しても効果的となります。
ホテル業界は、インバウンドの回復につれ今後さらに人手不足が顕著となってくると言われています。そのため人手不足の対策にDXは
必須と言えるでしょう。
ただDXを推進するのではなく、業務の中で何が課題なのか明確にしたうえでDXを進めていかなくてはなりません。